日本の語学力から見る貿易のハブとしての可能性
資源が乏しい日本。そんな環境でも日本は戦後の高度経済成長を成し遂げ、経済大国になりました。これは、どちらかというと加工貿易で財を成した結果。モノづくりに向いていた国民性をうまく活用した結果だと思います。
現在はどうでしょう?モノづくりでも斜陽の感があります。高齢化が進み職人さんが少なくなりました。日本の工場のキャパ不足は深刻です。以前のような将来に向けたモノづくりにおける革新、飛躍的改善は起こしにくい状況。
さて、風呂敷をだいぶ広げました。こんな中、このブログ記事では日本が貿易のハブとなることができるかを、日本にいる人の語学力から見てみたいと思います。
語学力を測る指標として、外からの指標を見つけました。
国際教育機関であるEF Education Firstが、「英語能力指数」というのを出しています。それによると次のような状況のようです。
2023年:113か国中87位。前年より7つ順位を下げ、アジア諸国の中でも下位のレベル。(ソース)
2022年:112か国中80位。前年の78位からさらに順位を落とした。(ソース)
2021年:112か国中78位。調査開始以来初めて、全参加国・地域中、下位3分の1のグループに位置する結果となった。(ソース)
※EF Education Firstの英語能力指数 English Proficiency Indexの詳細についてはこちら
年々下がっており、残念な結果です。他のアジア諸国を参考に見ると次のような結果。ソースはこちらEF Japan
- シンガポール:2位(非常に高い能力レベル)
- フィリピン:20位(高い能力レベル)
- マレーシア:25位(高い能力レベル)
- 香港:29位(高い能力レベル)
- 韓国:49位(標準的能力レベル)
- 中国:82位(低い能力レベル)
中国は自国の中で需給が完結するようなところがありますので、少し違う観点がいるでしょう。シンガポール、マレーシア、香港は貿易の拠点となる場所です。実態として、これらの国には英語が使える人は多いということですね。
当然、貿易のハブになるなら英語ができた方がいいので、この点では日本は少し足りないということでしょう。
将来英語ができる人が増えそうかを見るために、文部科学省こちらの報告を見てみました。この調査報告対象は令和5年の中高生。英語力は全体としては上がっているが、高校生の英検2級レベル達成者は減っているというなんとも言えない結果。
日本に何回も旅行に来たことがある欧米系の方に聞くと、昔より(おおむね1990年代か2000年代より)今は理解してくれる人も増えたし、話せるひとも少しは増えた感じ、という印象を持っているようです。
日本に住み、内側から語学のポイントから現状を見る限り、今すぐに国として貿易のハブになるのは難しそうです。まあ、だれも日本が貿易のハブになるとは思っていませんが、安心できないと思っています。これは、物流力と表裏一体なようにも感じますので。